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黒字だから安心、ではない。入金があるから安心、である。連鎖倒産を未然に防ぐ「5つの処方箋」

私は「経営は結局、社長の判断で決まる」と常日頃から思っています。


連鎖倒産は“遠い世界の話”ではない——黒字の会社ほど、いま守りを固めたい


倒産件数が増えている、という話を最近よく聞きますが、数字でもはっきり出ています。

東京商工リサーチによれば2026年1月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)は887件、前年同月比で増加し、1月としては2013年以来の高水準とのことです。負債総額1,198億円。

さらに、負債1億円未満が約78%、従業員10人未満が約90%と、小規模倒産が中心になっています。業種別では、サービス業が300件で最多、小売業が111件(大幅増)、運輸業が50件(増加)などが目立ちます。


ここで私が強く言いたいのは、「倒産が増えた/増えていく」という“景気の話”そのものよりも、連鎖倒産が起きやすい空気になっている、という点です。


そして実は、連鎖倒産で一番ダメージを受けるのは、赤字の会社だけではありません。

売上が伸びている(=忙しい)会社ほど危ないことがあります。


黒字なのに倒れる会社の共通点は、利益とキャッシュがズレている


社長に一つだけ覚えておいてほしい言葉があります。


利益は幻想、キャッシュは現実。


決算書で黒字でも、入金が遅れたり、売掛金が焦げたりすると、資金繰りは一気に苦しくなります。

典型例はこうです。


  • 取引先が資金繰り悪化 → 支払いが遅れる

  • こちらは売上計上しているので、試算表上は黒字

  • でも入金がない → 給与・外注費・返済が先に出る

  • 結果、「黒字なのに資金ショート」


これが“黒字倒産”の正体です。倒産が増える局面では、このズレが表に出やすい。だから私は、今の時期ほど「守り」を先に整えてほしいと思っています。


いま起きているのは「付加価値が薄いところから崩れる」現象


物価高、人件費、金利、燃料費…。外部環境は、こちらの都合を待ってくれません。

そして、こういう局面で苦しくなるのは、構造が似ています。


  • 仕入や外注コストが上がる

  • でも値上げが通らない(もしくは怖くてできない)

  • 結果、粗利が削られる

  • 固定費は上がる(人件費・社会保険・家賃・金利)

  • 気づいたら「頑張っているのに儲からない」


つまり、他社(市場)に価格を握られている会社ほど弱い。

裏返すと、自社の付加価値で価格を決められる会社が強いーこちらサイドで決められる、自立して経営ができている会社が強いということです。


連鎖倒産を避けるために、社長が今日からできる「現実的な5つ」


全部完璧にやる必要はありません。よく効く順番に並べます。


① 売掛金は「上位3社」だけ、毎月チェックする


全部を見るのは大変です。まず上位3社で十分です。


  • 入金遅れが出ていないか

  • 支払いサイトが伸びていないか

  • 値引き・返品・相殺が増えていないか


「長年の付き合いだから大丈夫」が一番危ない。これは本当にそうです。


② 与信枠を“社内ルール化”する


立派な規程はいりません。


  • A社:売掛上限〇円

  • B社:半金前受

  • C社:入金遅れ〇日で出荷停止


この3行があるだけで、連鎖倒産の確率は下がります。


③ 3カ月だけでいいので資金繰り表を作る


12カ月の立派な資金繰り表より、まず3カ月。

倒産が増える局面は、運転資金が膨らみます。


「売上が伸びているのに苦しい」は、ほぼこれです。


④ 値上げは「全面」より「切り口」でやる


値上げが通りにくい時代です。だから切り口です。


  • 特急対応は特急料金

  • 小ロットは手間賃

  • 仕様変更は追加見積

  • 配送回数増は配送料


“お願い”ではなく、コスト構造の見える化させて、その分の値段をとることです。


⑤ 「美味しすぎる大口」は、条件を強くする


突然大口の話が来たときほど、冷静に。


* 前金

* 分割納品

* 与信枠設定

* 保証(できる範囲で)


疑うのは失礼、ではありません。会社を守るのために行動するのが社長の仕事です。



運送は特に要注意:取引先の“体力”が落ちている可能性がある


運送は倒産件数が増えている業種の一つとしても挙げられています。

加えて制度面では、2024年4月1日から自動車運転者の労働時間等のルール(改善基準告示)が改正・適用されています。これにより現場の輸送の仕方や輸送方法、運賃の付き方、納期に影響が出ていると考えています。


荷主側(=発注側)の社長ほど、「安さ」だけで選ぶと、いずれ自社の納期や供給が崩れます。

価格だけでなく、取引先の持久力も見ておくべき時代です。


最後に:社長の“守り”は、会社の未来を延ばす


倒産が増える時期は、「攻め」より先に「守り」を固めた会社が生き残ります。

守りの要点は、私は2つだと思っています。


  • 銀行借入期間や方法や前受できないかなどを資金繰りを工夫し、キャッシュを切らさない仕組み

  • 他社依存を減らし、自社の付加価値で選ばれる状態ー差別化した選ばれる理由がある状態を作ること


経営においては、


「黒字だから安心、ではない。入金があるから安心、である。」


ということが重要です。


社長の意思決定ひとつで、未来は変わります。私はその意思決定を、数字と仕組みで支える側でありたいと思っています。

 
 
 

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