【黒字でも倒産する?】社長が見るべき貸借対照表(B/S)のポイント|利益があるのにお金がない理由
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利利益が出ているのにお金がない会社に共通する「資金繰り」の問題
会社の決算や月次試算表をご説明していると、多くの社長さんが最初に見るのは、やはり売上と利益です。
「今月はいくら儲かったのか」「前年より売上は増えたのか」
もちろん大事な数字です。
しかし、公認会計士として長年いろいろな会社の決算書を見てきて思うのは、「利益が出ているから大丈夫」と考えるのは危険だということです。
会社は赤字になった瞬間に倒産するわけではありません。赤字でも現金があれば続きます。
反対に黒字でも、支払日に現金がなければ会社は止まります。
そこで社長にぜひ見ていただきたいのが、損益計算書(P/L)だけではなく、貸借対照表(B/S)です。
黒字なのに現金がないのはなぜか
例えば年間1,000万円の利益が出た会社があったとします。
社長からすると、
「1,000万円利益が出たのだから、預金も増えているだろう」
と思います。
ところが、実際にはほとんど増えていない。
こういうことは珍しくありません。
例えば売掛金が前年より1,500万円増えていれば、売上と利益にはなっていても、まだ現金は入ってきていません。
在庫も同じです。
商品を仕入れれば資産にはなりますが、売れない限り現金には戻りません。
以前のコラムでも書きましたが、在庫は現金が姿を変えたものです。
よく売れる在庫なら問題ありませんが、半年、一年と動かない在庫なら、会社のお金が倉庫で止まっているのと同じです。
つまり、
「利益がある」ことと「現金がある」ことは違う。
ここを社長は理解しておく必要があります。
社長がB/Sでまず見るべき4つの数字
貸借対照表を見慣れていない社長さんには、まず次の4つを見ることをおすすめしています。
①現預金②売掛金③在庫④借入金
できれば一か月だけではなく、12か月分を並べて見てください。
例えば、
売上は増えているのに、売掛金はそれ以上に増えている。
売上は横ばいなのに、在庫だけ増えている。
利益は出ているのに、現預金は毎月減っている。
こうした変化を追っていくと、会社のお金がどこで止まっているのかが見えてきます。
数字は一点を見るより、推移を見る方が重要です。
重要なこと-借金が多い会社=危ない会社ではない
社長さんの中には、
「借金はできるだけ早く返したい」
という方も多いです。
気持ちは分かりますが、私は借入金そのものが悪いとは思っていません。
例えば1億円借りて設備投資をし、その設備から十分な利益と現金が生まれているのであれば、それは成長のための借入です。
反対に、借入金が少なくても、そのお金で利益を生まない資産を買い続け、返済で資金繰りが苦しくなっているのであれば危険です。
大切なのは、
「借金がいくらあるか」ではなく、「借りたお金を何に使い、それが利益と現金を生んでいるか」
を見ることです。
貸借対照表を見るうえで、私が大切だと思うのが、
成長と膨張を区別すること
です。
例えば飲食店が3店舗から4店舗になった。
売上も社員数も総資産も増えた。
一見すると成長です。
しかし4店舗目が赤字を続け、本店の利益を食いつぶしているなら、会社は大きくなっただけで、強くなったとは言えません。
「大きくなること」と「強くなること」は違う。
これは会社経営で非常に重要なところです。
会社を守るのは手元資金
経営を続けていると、必ず想定外のことが起こります。
取引先の倒産、原材料高、売上減少、災害、金融環境の変化。
そこで重要になるのが、
「売上が落ちても、会社は何か月持つのか」
という視点です。
例えば毎月1,000万円の固定的な支払いがあり、手元資金が5,000万円なら、単純に考えれば5か月分の余力があります。
もちろん実際の資金繰りはもっと複雑ですが、社長としてこの感覚を持っておくことは大切です。
私は、余裕資金はムダではなく、経営の選択肢だと思っています。
現金があれば、不況のときにも慌てずに判断できます。
逆に良い投資機会があれば、すぐに動くこともできます。
貸借対照表は「社長の経営判断の履歴書」
私は、貸借対照表というものは非常に面白いものだと思っています。
そこには、その会社がこれまでどんな経営をしてきたのかが表れます。
利益を積み上げてきたのか。
借入を活用して投資してきたのか。
在庫を多く持つ会社なのか。
現金を厚く持つ会社なのか。
つまりB/Sは、
社長がこれまで行ってきた意思決定の履歴書
でもあります。
P/Lを見れば、今年儲かったかどうかが分かります。
B/Sを見れば、会社がどんな体質になっているのかが分かります。
まとめ|利益だけでなくB/Sを見る社長になる
最初から難しい財務分析を覚える必要はありません。
まず毎月、
現金は増えたか。売掛金は増えすぎていないか。在庫は動いているか。借入金は何に使ったか。純資産は積み上がっているか。
これを確認するだけでも、会社の見え方は変わります。
会社は、利益がなくなったときではなく、現金がなくなったときに止まります。
経営数字は、税務署や銀行へ提出するためだけのものではありません。
社長が会社の未来を判断するための道具です。
次に試算表を見るときには、ぜひ利益だけで終わらず、貸借対照表もじっくり見ていただきたいと思います。





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