「節税」でキャッシュは増えない。キャッシュリッチな社長の判断基準
- 18 時間前
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社長業をしていると、どうしても「税金が増える=悪いこと」に見えがちです。でも、税金が増えるのは基本的に「利益が出た結果」であって、目的ではありません。
まず社長に確認したい“二択”があります
利益1億円(納税3,000万円、手元に7,000万円残る)
利益ゼロ(納税ゼロ、手元に…何も残らないかもしれない)
どっちの会社が強いでしょうか
。
もちろん、利益=キャッシュではないので単純ではありません。
ただ、「税金ゼロのために利益を消す」癖がつくと、だいたい会社の体力が落ちます。
なぜなら、世の中の“節税”の多くは、
お金を使って利益を消す(=キャッシュが減る)
になりやすいからです。
私の肌感覚ですが、利益が出ているのに資金繰りが苦しい会社ほど、毎年こう言います。
「利益出たら税金が…」
「何か落とせるものないですか?」
「節税商品ってどうですか?」
逆に、キャッシュが厚い会社は、言っていることが違います。
「今期は利益が出そう。来期の採用に投資したい」
「広告費を増やしたいが、回収見込みはどう置く?」
「設備投資するなら、減価償却と資金繰りの山谷を先に見たい」
税金は“論点の一部”で、主語はいつも「事業」なんですね。
キャッシュリッチになる社長の「5つの視点」
動画の流れを、会計事務所の現場目線に翻訳して、厚めに整理します。
1)税額ではなく「残るお金」で判断する
社長が見るべきは「税金がいくら減ったか」より、最終的に手元資金が増えたかです。
ここでありがちなズレが、
「税金が増えるのがイヤ」→ 利益を潰す
「税金が増えるのがイヤ」→ 単価UPや販促投資に消極的になる。
この2つ。これをやると、会社は強くならないです。
2)“節税”の多くはキャッシュを減らすと知っている
お金を使って利益を消せば、税金は減ります。
でも、キャッシュは出ていく。
だからキャッシュリッチの社長は、節税話に食いつく前にこう考えます。
「それで、うちのキャッシュは増えるの?」「将来の利益は増えるの?」
この質問が出るだけで、業者から搾取されにくくなります。
3)使うなら「未来費用(戦略経費)」に使う
キャッシュリッチな会社は、お金の使いどころが“未来”です。
採用・教育(人を増やし、再現性を作る)
広告・販促(売上の仕組みを増やす)
システム・業務改善(粗利を守り、時間を生む)
戦略的な交際(人脈から案件が動くフェーズがある)
これらは、税金を減らすためにやるのではなく、利益を増やすためにやる。結果として税金計算上は経費になる、という順番です。
4)“前倒しできる制度”は、資金繰りに効く
設備投資の局面では、税制優遇が使えることがあります。
ここでのポイントは、「得をした」というより、
税金の支払いタイミングを調整し、資金繰りの余白を作れる
ということ。余白ができれば、次の投資に回せます。
5)「税金を減らす」だけでなく「戻す」も考える
補助金・助成金は、言ってみれば税金の再配分です。国は基本的に「あなたの会社にこれ使えますよ」と教えてくれません。だから、情報を取りに行く会社が得をします。
“金持ちの節税”は別世界。それは違う税率構造を選ぶから
給与・事業所得は累進で、所得税率は5%〜45%の7段階です。一方、上場株式等の配当は申告分離課税を選ぶと税率は20.315%です。
日本の税制においては「資産側に寄るほど、税率がフラットになる」構造があります。これは好き嫌いではなく、ルールとしてそうなっています。
金持ちがますますお金持ちになるのは、給与や事業所得で稼いで所得税を取られることをできるだけ少なくし、資産から生み出される収益ー配当、株式売却益、公社債利息から収益を多く得て、税金を少なくしているという面もあるからです。
なので、お金持ちはそもそもこの税率の違いに注目して、細かい節税などはせずに最低限の変動しない税率で、資産活用して収入を得るようにするという、「構造の違いにもとづいた節税」を行っているのです。
ただし、ここで勘違いしないでほしいのは、
「今キャッシュが薄い会社が、いきなり“富裕層の節税”を真似しても逆効果」
ということです。まず本業でキャッシュを積む。順番を守るのが大事です。
私が好きな“キャッシュリッチ”の定義
キャッシュリッチって、別に「通帳の残高が多い」だけの話ではないと思っています。
月末の支払いが怖くない
多少の売上変動でも動じない
攻めの投資を“自分の意志”で決められる
銀行に頭を下げに行く回数が減る
社長が夜ぐっすり眠れる
この状態が、私は強いと思います。
投資家の世界で有名な言葉に、「大損をしないことが、結局いちばん儲かる」という趣旨のルールがあります。(大きく減らすと回復に時間がかかる、というやつですね。) (Investopedia)
会社経営も似ています。大きく転ばないためには、キャッシュの厚みが要るのです。
そしてそれは、自然となるのではなく、「そうする」と決めないとならないものです。
今日からできる、キャッシュリッチ・チェック
最後に、社長が判断をズラさないためのチェックを置いておきます。
その支出は「税金を減らすため」ではなく、「利益を増やすため」になっているか?
税金の話をする前に、「来期の売上・粗利にどう効くか」を言語化できるか?
決算書より先に、資金繰り表(最低でも3〜6ヶ月)を見て意思決定しているか?
この3つが揃ってくると、社長の会社はかなり強くなっていきます。









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