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会社が潰れる前に出る「危険サイン」—資金ショートのずっと手前で起きていること



経営者の皆さまとお話ししていると、意外と多いのが「会社が潰れるときって、どんな前兆があるの?」という話題です。倒産の“直接の原因”は、ほぼ例外なく資金ショートです。しかし本当に怖いのは、資金が尽きるずっと手前から、会社の内部にじわじわと“予兆”が出始めることです。

最近も倒産件数は増えており、しかも負債1億円未満の小口倒産が目立つ、というデータも出ています。 規模の大小にかかわらず、「気づいたら崖の手前だった」というのは普通に起こり得ます。今日は、私の経験や見聞きした事例をもとに、“危ない会社に共通して見えるサイン”を、少し生々しく書いてみます。


1.初期のサイン:営業構造と社長の言動

倒産という言葉はまだ遠い段階でも、「この会社、長続きしないかもしれないな」と感じるケースには共通点があります。

(1)“紹介だけ”で回っている

紹介が悪いわけではありません。ただ「紹介が来る仕組み」がなく、単に運任せで紹介待ちになっている会社は危ない。紹介は景気や人間関係で止まります。止まった瞬間に次の手がない、という構造は脆いのです。

(2)特定の取引先に依存している

私はよく「1社の売上シェアが20%を超えると怖いですよ」と言います。社長は「ウチは信頼関係があるから」と言うのですが、相手からすると“数ある取引先の一つ”ということも多い。景気が悪くなると、切られる順番は案外早いものです。

(3)景気のいい話が増える

「この案件が決まったら海外行こう」「車買うよ」みたいな大風呂敷。

もちろん常識の範囲ならいいのですが、なぜかこのタイプは数年後に姿を消していることが多いです(経験則です)。

それは夢を語る言葉が先行し、考え抜いたビジネスモデルや、その数字の裏付けがないことが多いのです。

ビジョンやイメージばかり先行して、どうやって儲けるかという視点が弱いからでしょう。


2.真ん中あたりのサイン:お金と行動の変化

ここから先は、すでに“倒産方向”に傾き始めている段階です。表面上は忙しそうでも、内部は傷んでいます。

(1)銀行が貸してくれない

銀行は将来性と返済可能性をシビアに見ています。融資が止まると、無理に数字を良く見せたくなり、粉飾に手を出す会社も出ます。しかし、決算書の歪みは、プロが見ればだいたい分かります。粉飾は時間稼ぎに見えて、実際は“傷口を広げる行為”です。

(2)忙しいのに、社員が増えない(むしろ減る)

現場は地獄のように忙しいのに、人を採らない。これは「利益が出ない仕事で忙しい」可能性が高い。日銭稼ぎで回っているだけで、体力が削られていきます。

(3)本業と関係ない事業開始や、怪しい“コンサル”を雇い始める

本業以外で儲かると思って始めるケース。裏返すと、本業が思うようにいっていない。焦りのサインとして出てきやすいです。


3.末期のサイン:待ったなしの状態

ここまで来ると、もう「いつ止まってもおかしくない」段階です。関係者に被害が広がります。

(1)税金・社会保険料の滞納取引先への支払いは止めづらい。しかし税金や社会保険は後回しにされがちです。ここが滞り始めたら、かなり危険です。

(2)取引先への支払い遅延「支払いを1か月待ってくれ」と言い始める。これを一度やると信用は急落し、次の資金調達も難しくなります。ここから正常に戻るのは、現実にはかなり厳しい。

(3)社長と連絡がつかない居留守、携帯に出ない。精神的に追い詰められて、現実から逃げたくなるのです。

(4)給与の遅配ボーナスカット、手当カット、幹部が辞める、最後に給与未払い。ここまで来たら、ほぼジ・エンドです。


「利益」と「資金繰り」は、会社の免疫力です

よく「利益を出さないと倒産する」と言われますが、利益は単なる結果ではなく、会社の免疫力です。利益には“リスクへの備え”“未来への投資”“資金調達の呼び水”といった役割がある、という整理はとても本質的だと思います。資金繰りが苦しくなった会社ほど、「売上を増やす」だけに意識が行きます。しかし、粗利の薄い売上を積み上げても、忙しくなるだけで体力が落ちることがあります。数字は、静かに真実を語ります。


生き残る会社がやっていること

怖い話ばかりしましたが、これは「成り行きで経営した結果、起こりやすいパターン」です。逆に言えば、手前で止められます。

  • 月次試算表と資金繰り予定を“見る習慣”を作る(見ない会社ほど、気づくのが遅い)

  • 売上の偏りを点検し、依存先を減らす

  • 値上げ・商品入替・人員配置などを、早めに打つ

  • 外部環境の変化を読む(コロナ後の変化を考えた会社は対応が速かった、という話もあります)

そして何より、「ヤバいかも」と思った瞬間に、早めに相談することです。倒産寸前まで行くと選択肢が消えますが、早い段階なら打ち手は残っています。

いちご会計事務所も、皆さまの会社が“気づいたら崖っぷち”にならないよう、数字と現場の両方から伴走していきたいと思っております。

いちご会計事務所所長 公認会計士・税理士 足立知弘

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