なぜ「2位」ではダメなのか? ランチェスター戦略が教える必勝の条件
- tomohiro adachi
- 1月27日
- 読了時間: 4分

弱者が強者に勝つための「ランチェスター戦略」
顧問先の社長様と話していると、「大手が近くに進出してきて売上が厳しい」「価格競争に巻き込まれて利益が出ない」といったご相談を受けることがよくあります。
資本力もあり、人も金も潤沢にある大企業と、我々のような中小企業が同じ土俵で戦っては、勝ち目はありません。
では、中小企業はどうやって生き残ればよいのか。
その答えのヒントとなるのが、第一次世界大戦の頃にイギリスのエンジニア、フレデリック・ランチェスターが提唱した「ランチェスター法則」です。
これは元々軍事理論でしたが、日本では戦後に経営戦略として広く知られるようになりました。
我々は「弱者」であることを自覚する
この戦略では、①業界1位であり、②市場シェアが26.1%以上あり、③2位との差が10:6以上ある企業を「強者」、それ以外を「弱者」と定義します。
この定義でいけば、日本企業の5/1000=0.5%位が強者といわれ、残りの99.5%が「弱者」に分類されます。これは、中小企業だけでなく有名な大企業さえ、この3条件を満たした業界トップ以外は、この理論上では「弱者」なのです。
「弱者」と聞くと聞こえが悪いかもしれませんが、これは単なる分類であり、卑下する必要はありません。重要なのは「弱者には弱者の戦い方がある」ということです。
「差別化」と「一点集中」
強者の戦略は「物量戦」です。豊富な資金と人員で、幅広い商品を安く大量に提供する。これに対して、弱者が同じ武器(価格や品揃え)で戦えば、必ず負けます。
では、どうするか。動画や本などでよく例えられるのが「街のスーパーマーケット」の話です。
近所に巨大なイオンモールができたらどうするか。
品揃えや価格で対抗してはいけません。それでは体力が尽きてしまいます。
ここで取るべきは「接近戦」と「一点集中」です。
例えば、「普通の野菜」ではなく「地元の農家さんが作った有機野菜」だけに特化する(一点集中)。
あるいは、お客様の顔と名前を覚え、「〇〇さん、今日はいい魚が入ってますよ」と声をかける、高齢の方には配達をする(接近戦)。
大手が効率化のために切り捨ててしまうような「手間のかかること」「ニッチな分野」にこそ、我々の勝機があります。
孫子の兵法に通じる知恵
この考え方は、東洋の古典、孫子の兵法にも通じるものがあります。
孫子は「虚実篇」においてこう述べています。
「兵の形は実を避けて虚を撃つ」
(戦いの基本は、敵の備えが充実しているところ(実)を避けて、手薄なところ(虚)を攻撃することである)
経営において「実」とは、大手が圧倒的なシェアを持っている市場や、価格競争のことです。ここを避けて、大手が手を出せない「虚」、つまりニッチな市場や、きめ細やかなサービスという土俵で戦うことが、中小企業の必勝法なのです。
小さな山でも「一番」になること
ランチェスター戦略の肝は、「局地戦でナンバーワンになること」です。
全国1位や業界1位になる必要はありません。
「この地域で、この特定の商品に関しては、あの会社が一番だよね」
「このサービスなら、あそこに頼めば間違いない」
そう言われる「小さなナンバーワン」を作ること。
具体的には、商品、地域、客層の分野でどこかで一位を目指すことです。
ナンバーワンになれば、価格競争に巻き込まれず、安定した利益を出すことができます。
2位ではだめなのです。
そこで一位になることで具体的には、以下のような効果が得られるようになります。
①一位営業有利の原則
日本で一番高い山は富士山ですが、二番目の山を即答できる人は少ないのと同じです。営業上、一位というのは、非常に強い力で顧客を引き付けます。
②一位紹介の原則
お客さんは、自分の中で一位のところしか紹介しません。
③一位経費割安の原則
一位になると、様々な経費が割安になります。
例えば、営業上一位であることはそれだけでライバルと比較された場合に、有利に働きますから販促費がいらなくなります。また、地域シェア一位であれば、本社に近いところで有利な営業ができ、移動コストが削減されます。また商品製造においても、シェア1位の場合、経験曲線効果と規模の経済からコスト減につながり、製造コストも減少します。
④一位集中の原則
シェア一位を続けていくと、ライバルが廃業したりします。この時にライバルが持っていたお客は、多くが一位の会社と取引をします。このため、一位企業にお客が集中しシェアが拡大するのです。
経営環境は厳しいですが、自社の強みを見直し、戦う場所を変えることで、道は必ず開けます。
大手にはできない、皆様だけの「一点集中」できる武器は何か。
一緒に考えていきましょう。
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