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経営には指標が大事ー「超」入門失敗の本質(書籍紹介)

更新日:2022年9月7日

お勧め度:☆☆☆☆(星四つ)

読んでいただきたい方:経営者、経営幹部

学べること:組織論的にみた失敗する要因、戦略指標を持つことの重要性

読書必要時間:2時間


「失敗の本質」とは、経営学者の野中郁次郎他の学者さん達が1984年に出版した、

第二次大戦での日本軍の敗北を、組織論的研究から分析した書籍です。


私も昔から何回か読んでいる本で、日本の組織風土がもつ弱点について、しっかりとした分析がなされている本です。


しかし、学者さん達が書いている本なので、一般の方には少し難しいところがあります。


そこで、今回ご紹介するのが、鈴木博毅著「「超」入門 失敗の本質」という本です。



この本は、失敗の本質の記述をベースに、著者が独自の解釈や解説を加えて、日本軍の敗北原因を分析し、そして現代日本が抱えている経営不振の原因にも関連させて記述している本です。

正直言うと、ちょっと「失敗の本質」が分析した内容と離れているのではないか、という部分もありますが、経営に参考になる非常に面白い本です。


本書は23の項目を出して、それぞれに日本が何故負けたのかという分析をし、かつこれが現代日本にもはびこる経済不振、経営不振の理由としても解説しています。


詳しくは、本書を読んでいただきたいのですが、その中でもいくつか経営に参考になる指摘があります。


その一つに、「指標」と解説されている部分があります。


解説の内容に対して、この言葉の使い方には少し違和感がありますが、説明はその通りだなと思います。

日本軍は決戦主義を軍事ドクトリンとし、米軍は持久総力戦を軍事ドクトリンとしました。

その結果、戦略目標となる「指標」は違ってきます。

米軍は、まずは洋上航空戦力をたたき、洋上での航空優勢と制海権を確立し、敵の動きを封じつつ輸送船と戦略施設(工場や港湾、資源採取地域)を中心に攻撃することで、日本の継戦能力を奪うことを「指標」としました。

一方、日本軍は決戦主義ですから、いかに各戦闘で勝利するかが重要であり、継戦能力の維持よりも各開戦での勝利のほうにリソースが割かれます。

このドクトリンの差に基づき、採用される戦略は異なってきます。

やはり緒戦は日本軍優勢となりますが、持久総力戦を採用している米軍は、時間がたてば有利になってきます。


その結果は、皆さんご存じの通りです。


しかし、この話は経営においても同じかも知れません。


書かれている内容は、CFS(KFS)とKPI、KGIの関連と同じです。


すなわち、CFSとはCritical Factor of Success(重要な成功要因)、KPIとはKey Performance Indicator(重要な成功数値指標)、KGIはKey Goal Indicator(最終目標数値指標)です。


KGIは達成すべき目標です。この目標を達成するために一番大事な要因はなにかを分析し、CFSを決定します。そして、このCFSを実現するために必要な目標指標はなにかということを考え、KPIを目標設定します。


例えば、KGIを営業利益100億円の達成と設定し、この実現のためには何が必要なのかを分析し、その中から重要な成功要因を見つけ出します。

例えばCFSが自社営業の積極訪問であるとすれば、月間訪問件数をKPIとするかも知れません。


要はCFSです。これどのように深く考えて分析実行できるかが、経営においては重要です。


なお、このCFSについていえば、米軍は持久総力戦にむけての国力増大、かつ敵の総力戦の資源を枯渇させる事であり、日本軍は各開戦での勝利による短期決戦、講和であったとも言えます。


そのため、KPIは米軍は輸送船団の撃沈トン数、戦略施設の破壊数、日本軍は各戦闘での勝利数、艦船撃沈数、敵兵力の破壊数と変わってきます。そのようにも読めますよね。


ほかにも,日本独特の組織風土による問題点について、非常に参考になる話が書いてありますでの、是非いちどお読みください。


お勧め度:☆☆☆☆(星四つ)

読んでいただきたい方:経営者、経営幹部

学べること:組織論的にみた失敗する要因、戦略指標を持つことの重要性

読書必要時間:2時間



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