2027年から青色申告が変わる!75万円控除の条件と55万円廃止を解説
- 43 分前
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2027年分(令和9年分)から、青色申告特別控除の最高額が65万円から75万円に引き上げられます。
ただし、青色申告をしていれば自動的に75万円控除を受けられるわけではありません。
さらに、これまで55万円控除を受けていた人にも大きな変更があります。
この記事では、75万円控除を受けるための条件、65万円控除との違い、個人事業主が2027年までに準備しておきたいことを分かりやすく解説します。
結論|75万円控除には「e-Tax+電子保存」が必要
2027年分から最高75万円の青色申告特別控除を受けるには、まず65万円控除の要件を満たしたうえで、次のいずれかへの対応が必要です。
優良な電子帳簿の保存
デジタルシームレス保存
さらに重要なのが、2027年分からは65万円控除を受ける場合にも、原則としてe-Taxによる期限内申告が必要になることです。
つまり、
「今まで65万円だったから、そのまま75万円になる」
という制度ではありません。
また、これまで存在した55万円控除の区分もなくなります。
2027年分から青色申告特別控除はどう変わる?
大きな変更点は、次の3つです。
1.最高控除額が65万円から75万円になる
これまで青色申告特別控除の最高額は65万円でした。
2027年分以後は、一定の電子保存要件を満たすことで、最高75万円の控除を受けられるようになります。
2.55万円控除がなくなる
2026年分までは、複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書を作成して期限内申告をすれば、e-Taxを利用しなくても最高55万円の控除を受けることができます。
しかし、2027年分からこの55万円区分はなくなります。
3.65万円控除にもe-Taxが必要になる
2027年分から65万円控除を受けるためには、複式簿記などの要件に加えて、e-Taxによる期限内申告が必要になります。
現在、紙で確定申告して55万円控除を受けている人は特に注意が必要です。
2026年分までと2027年分以後の違い
控除額 | 2026年分まで | 2027年分以後 |
75万円 | なし | 65万円控除の要件+一定の電子保存 |
65万円 | 複式簿記等+e-Taxまたは優良な電子帳簿 | 複式簿記等+e-Tax |
55万円 | 複式簿記等 | 廃止 |
10万円 | 簡易簿記など | 原則存続 |
※10万円控除についても2027年分から一部見直しがあります。
75万円の青色申告特別控除を受ける条件
75万円控除を受けるためには、まず65万円控除の条件を満たす必要があります。
65万円控除の主な要件
主な要件は次のとおりです。
正規の簿記の原則で記帳する
一般的には複式簿記で帳簿を作成する
貸借対照表と損益計算書を作成する
確定申告期限までに申告する
e-Taxで確定申告書等を期限内に送信する
そのうえで、75万円控除を受ける場合には、さらに次のどちらかに対応します。
方法1|優良な電子帳簿を保存する
一つ目は「優良な電子帳簿」の要件を満たす方法です。
優良な電子帳簿とは、単にパソコンや会計ソフトで帳簿を作成するだけではありません。
一定の要件を満たした状態で、仕訳帳や総勘定元帳などを電子データとして保存する必要があります。
主な要件として、次のようなものがあります。
訂正や削除の履歴を確認できる
帳簿同士の関連性を確認できる
日付、金額、取引先などで検索できる
そのため、
「会計ソフトを使っている=75万円控除を受けられる」
というわけではありません。
現在利用している会計ソフトが要件に対応しているか、実際の運用方法も含めて確認する必要があります。
方法2|デジタルシームレス保存を行う
もう一つが「デジタルシームレス保存」です。
デジタルシームレス保存とは、取引データの発生から帳簿への記録までを、一定の要件を満たしたデジタル環境で処理・保存する仕組みです。
対象となるものとして、国税庁は次のような取引データを案内しています。
デジタルインボイス
預貯金口座の決済データ
ただし、
銀行口座を会計ソフトに連携している
請求書をPDFで保存している
というだけで、必ず75万円控除の要件を満たすわけではありません。
利用しているシステムや保存方法が、国税庁の定める要件に対応しているか確認が必要です。
75万円控除になっても税金が10万円減るわけではない
65万円控除から75万円控除になると、控除額は10万円増えます。
ただし、
税金そのものが10万円減るわけではありません。
青色申告特別控除は、所得から差し引く制度です。
たとえば、
65万円控除↓75万円控除
となった場合、課税対象となる所得が最大10万円少なくなります。
実際に減る所得税や住民税の金額は、その人の所得や適用される税率によって異なります。
そのため、75万円控除を受けるためだけに高額なシステムを導入すると、コストに見合わない場合もあります。
経理業務の効率化や記帳ミスの削減なども含めて判断することが大切です。
現在65万円控除を受けている人はどうなる?
現在すでにe-Taxで確定申告し、65万円控除を受けている人は、2027年分以後も基本的な申告方法を継続することで65万円控除を受けることができます。
75万円控除を目指す場合には、
優良な電子帳簿
デジタルシームレス保存
のどちらかへの対応を検討します。
現在55万円控除を受けている人は要注意
今回の改正で特に注意したいのが、現在55万円控除を受けている人です。
2027年分から55万円という控除区分はなくなります。
そのため、複式簿記で記帳し、貸借対照表まで作成していたとしても、紙で確定申告を続ければ従来の55万円控除をそのまま受けることはできません。
65万円控除を受けるためには、e-Taxへの移行を検討する必要があります。
現在10万円控除を受けている人は?
現在、簡易簿記などによって10万円控除を受けている場合でも、
複式簿記へ切り替える
貸借対照表を作成する
e-Taxで期限内申告する
といった条件を満たせば、65万円控除を検討できます。
さらに一定の電子保存要件まで満たせば、75万円控除の対象となる可能性があります。
なお、2027年分からは10万円控除についても一部制度変更があります。
一定の場合には、前々年分の事業所得または不動産所得に係る収入金額が1,000万円を超える人が対象外となるため、該当する場合には個別確認が必要です。
75万円を受けたいなら2026年中に確認しておきたい
75万円控除を受けるための準備は、確定申告時期だけ行えばよいとは限りません。
特に優良な電子帳簿を利用する場合には、対象となる帳簿について、原則としてその年の最初から要件を満たした形で保存しておく必要があります。
2027年分から75万円控除を受けたい場合は、
2026年中に会計ソフトや帳簿の保存方法を確認しておくことが重要です。
確認しておきたいポイントは次のとおりです。
現在の青色申告特別控除はいくらか
e-Taxを利用しているか
使用中の会計ソフトは優良な電子帳簿に対応しているか
電子帳簿の保存方法は要件を満たしているか
75万円控除を受けるための追加コストはいくらか
「確定申告のときに税理士へ相談すればいい」と考えていると、年の途中からでは対応できない場合があります。
現金主義の特例を利用している場合は注意
現金主義による所得計算の特例を適用している人は、65万円控除や75万円控除を受けることはできません。
この場合には10万円控除が基本となります。
また、不動産所得については、不動産貸付けが事業的規模に該当するかなどによって適用関係が異なります。
個別事情によって結論が変わるため、注意してください。
まとめ|2027年分は「75万円」だけでなく「e-Tax必須化」に注意
2027年分から、青色申告特別控除の最高額は75万円になります。
ただし、全員が自動的に75万円控除になるわけではありません。
ポイントを整理すると、次のとおりです。
青色申告特別控除の最高額が75万円になる
55万円控除は廃止される
65万円控除にはe-Taxが必要になる
75万円控除には65万円の要件に加えて一定の電子保存が必要
会計ソフトを使っているだけでは75万円になるとは限らない
2027年分から75万円を目指すなら2026年中の準備が重要
特に現在、紙で確定申告をして55万円控除を受けている個人事業主は、早めにe-Taxへの移行を検討した方がよいでしょう。
よくある質問
Q1.2027年から青色申告をしていれば全員75万円控除になりますか?
いいえ。
75万円は青色申告特別控除の最高額です。
65万円控除の要件を満たしたうえで、優良な電子帳簿またはデジタルシームレス保存などの追加要件を満たす必要があります。
Q2.e-Taxを使えば75万円控除になりますか?
e-Taxだけでは75万円控除にはなりません。
2027年分からe-Taxは65万円控除を受けるための要件となり、75万円控除にはさらに一定の電子保存要件が必要です。
Q3.これまで55万円控除を受けていた場合はどうなりますか?
2027年分から55万円控除の区分はなくなります。
65万円控除を受けたい場合は、複式簿記などの要件に加えてe-Taxによる期限内申告が必要です。
Q4.会計ソフトを使っていれば75万円控除を受けられますか?
必ずしも受けられません。
優良な電子帳簿には訂正・削除履歴や検索機能など、一定の要件があります。
会計ソフトそのものだけでなく、保存方法や運用方法も確認する必要があります。
Q5.2027年分の75万円控除はいつから準備すればよいですか?
2026年中に確認しておくことをおすすめします。
電子帳簿の保存方法によっては、2027年1月から要件を満たした運用を始める必要があるためです。
青色申告の方法を一度確認してみませんか?
2027年分からの改正では、単に控除額が65万円から75万円になるだけではありません。
特に、
現在55万円控除を受けている
紙で確定申告している
会計ソフトは使っているが電子帳簿の要件は分からない
75万円控除に対応できるか確認したい
という方は、早めに現在の経理方法を確認しておくことをおすすめします。
当事務所では、青色申告だけでなく、e-Taxや電子帳簿保存法への対応、日々の経理方法を含めて確認しています。
現在の経理体制で65万円・75万円控除を受けられるか分からない場合は、お気軽にご相談ください。
参考資料
国税庁「優良な電子帳簿の保存又はデジタルシームレス保存により75万円の青色申告特別控除を適用しましょう!」
国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
国税庁「電子取引の取引情報に係る電磁的記録に係る重加算税の加重措置の不適用の特例及び75万円の青色申告特別控除(個人事業者)の適用を受ける旨の届出書」
財務省「令和8年度税制改正の大綱」
e-Gov法令検索「租税特別措置法」



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