融資に不安がある 資金繰りに悩む社長へー「返済は大丈夫です」と言った社長が、なぜ融資を断られたのかー
- 1月16日
- 読了時間: 3分

税理士として長く仕事をしていると、
「この会社、数字だけ見たら通ってもおかしくないのに、なぜか融資が通らない」
という場面に何度も出くわします。
そういう時、私は決算書を見直すのと同時に、必ず社長にこう聞きます。
「銀行との面談で、どんな話をしましたか?」
すると案外、こんな答えが返ってきます。
「特別なことは言っていません。返済は大丈夫です、とか…」
「頑張ります、とは言いました」
この瞬間、だいたい原因が見えてきます。
今回はその理由を分析します。
資金繰りに悩み、融資に不安がある社長は必見の内容です。ぜひ最後まで読んでいただきたいです。
銀行や信用金庫は、もちろん数字を見ています。
ですが、それと同じくらい、社長が“どう考えて経営しているか”を、言葉から読み取ろうとしています。
以前、ある社長が面談後にこう言いました。
「正直に話したのに、反応が冷たくて…」
その社長は悪いことを言ったわけではありません。ただ、何も考えていないように聞こえてしまったのです。
たとえば、
「新規事業がうまくいけば、その利益で返します」
これは一見、前向きな話に聞こえます。しかし、銀行側の頭の中ではこう変換されます。
「うまくいかなかったら、どうなるんだろう?」
銀行は新規事業に夢を見ません。
私自身も正直、新規事業は「失敗する前提」で見ています。だからこそ、「失敗しても返せるのか」が説明できないと、話は前に進みません。
一方で、融資がスムーズに進む社長に共通しているのは、
「この投資が外れても、会社は死なない」
という説明が自然にできることです。
・既存事業の利益
・手元資金の余力
・かなり厳しめに作った資金繰り
こうしたものを前提に、
「最悪の場合でも、返済自体は問題ありません」
と話せる社長は、銀行から見て非常に安心感があります。
面白いのは、
「返済は問題ありません」
という言葉そのものは、どちらも同じだという点です。
違うのは中身です。
根拠のない「問題ありません」は軽く聞こえ、根拠のある「問題ありません」は、きちんと伝わる。
この差は、思っている以上に大きいです。
逆に、これは避けた方がいいな、と感じる発言もあります。
「とりあえず運転資金が足りなくて」
「使い道はざっくり決まっています」
こうした言葉を聞くと、銀行は「行き当たりばったりなのでは」と感じます。
銀行は慈善事業ではありません。
ただし、誤解してほしくないのは、担当者は基本的に貸したいと思っているということです。貸せる理由さえ整っていれば、話は前向きに進みます。
だから私は社長に、よくこうお伝えします。
「自分が銀行の立場だったら、この説明で貸したいですか?」
この視点を持つだけで、言葉は自然と変わります。
融資は気合や根性論ではなく、準備の勝負です。
数字を整えるのと同時に、社長自身の“語り方”も整えておく。
それだけで、銀行との距離はずいぶん縮まるものです。





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