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人件費は削るな、回せ。会社の出力を上げる“燃料設計”

  • 1月21日
  • 読了時間: 5分

いちご会計事務所の足立です。いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

経営の現場では最低賃金の改定、人手不足などで人件費が上昇しており、相変わらず「人件費」という大きな波に悩まれている社長様も多いのではないでしょうか。

先日も知り合いの社長から、

「人件費が重くて利益が残らない。優秀な社長はどうやって下げているのか教えてほしい」

と切実な相談を受けました。

ただ、私はこの手のご相談をいただくたびに、最初にひとつ確認します。

社長が下げたいのは「人件費」そのものなのか、それとも「利益が残らない構造」なのか。ここを取り違えると、やることが真逆になります。


人件費は“削るもの”ではなく“設計するもの”

多くの社長様は、人件費を「コストだから削る」と捉えがちです。もちろん無駄があれば削減は必要です。ですが、人件費を一律にカットするやり方は、会社にとって非常に危険です。なぜなら、人件費は単なる費用ではなく、付加価値を生み出すための燃料だからです。

燃料を絞れば、数字上は一時的にラクに見えます。しかし燃料が減ればエンジンの回転数は落ち、出力が弱まり、最終的には売上も利益も伸びなくなります。だからこそ社長がやるべきは「燃料をケチる」ことではなく、燃料がきちんと推進力に変わるように、エンジンの調子(業務設計・役割分担・評価の仕組み)を整えることー経営の構造を見直すことなのです。

「人件費を下げたのに、なぜか利益も下がった」こういう会社は、燃料だけ減らしてエンジンを直していないケースがほとんどです。


まず見るべきは“金額”ではなく“比率”

優秀な社長ほど、人件費を金額で見ません。

見るのは、利益や付加価値に対する比率です。

たとえば「労働分配率」や「粗利に対して人件費がどれくらいか」「一人当たり粗利はいくらか」。このあたりを押さえると、会話が一気に具体的になります。

人件費が月100万円でも黒字の会社はありますし、月1,000万円でも十分に回る会社もあります。問題は“額”ではなく、“燃料に見合う推進力が出ているか”です。


「高い給料は出せない」が失敗の入口になる理由

昔から言われる話ですが、「高い給料は出せない」と言って人を安く使おうとすると、結果として安い成果しか返ってきません。もちろん、いきなり給与を上げればいいという話ではありません。ポイントは順番です。

超一流の社長がやっているのは、「給料を上げられるだけの付加価値が出る仕組み」を先に作ること。そして、その仕組みの上で「給料を上げて、それ以上に稼いでもらう」という発想に切り替えていきます。

燃料(人件費)を増やすのは怖い。これはよく分かります。ですが、燃料を増やしても推進力が出ないのは、燃料が悪いのではなく、たいていエンジン側(仕事の作り方・回し方)に原因があるのです。


人件費を“最適化”する社長が最初にやる3つ

ここからは実務的な話です。最初の一歩は、難しいテクニックではありません。

① 付加価値の見える化

売上ではなく、粗利(付加価値)を軸に、人件費との関係を整理します。「粗利に対する人件費比率」「一人当たり粗利」「部門別の粗利」。これだけで、燃料の投入先が見えてきます。

② 業務の棚卸しと標準化

人が足りない会社ほど、実は“仕事が多い”のではなく、“ムダが混ざっている”ことが多いです。属人化、二重チェック、手書き、同じ情報の転記…。こうした摩擦がエンジンの抵抗になります。抵抗を減らすと、同じ燃料でも出力が上がります。

③ 値決め(単価)の再設計

人件費が上がる局面で、価格を据え置けば利益が削れます。人件費を削る前に、「誰に、何を、いくらで売るか」を見直す。ここに踏み込める社長は、最終的に強いです。


目標は「人件費を下げる」ではなく「強い出力を出す」

人件費の悩みは、結局のところ「会社の出力」が上がっていない悩みでもあります。

燃料を減らして静かに走るのか、燃料を活かして力強く走るのか。社長の意思決定で会社の未来は変わります。

ここで私が良くお話しする松下幸之助氏の「ダム式経営」の話を思い出してください。

余裕のある経営をするには、まず「そうしたい」と強く思うことが出発点です。

人件費の問題も同じです。単に「減らしたい」という消極的な姿勢ではなく、「社員に高い給料を払いながら、圧倒的な利益を出せる強い経営システムを作りたい」という熱意を持ってください。

経営は、情熱と科学(数字)の両輪です。 「1円の経費(人件費)が、いくらの付加価値を生んでいるか」を冷静に分析しつつ、社員が「この会社で成果を出して給料を上げたい!」と思える環境を整える。これこそが、結果として人件費率を適正に下げる唯一の王道なのです。

「人件費をコストではなく、未来への投資に変えていく」

人件費はコストである前に、未来をつくるための燃料です。

下げ方を間違えると、会社の出力が落ち、優秀な人が離れ、売上まで連れて落ちていく。だからこそ、数字と現場の両方を見ながら、燃料が推進力に変わる“仕組み”を整えていきましょう。

もし貴社の試算表を見ながら、「労働分配率」「一人当たり粗利」「値上げ余地」「採用と外注のバランス」などを一緒に整理したければ、遠慮なくご相談ください。数字を起点に、次の一手を組み立てましょう。


 
 
 

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